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〒329-2725 栃木県那須塩原市あたご町1-18


  歯石沈着 と 歯周病 
健康は口腔衛生管理から!
      歯石はおそろしい!!   


歯石はおそろしい!! すごい歯石がついてしまった結果、さまざまな痛々しい状態の動物をたくさん見てきました。頬に穴が開いてしまったり、骨がむき出しになってしまったり。化膿がいつまでも続いたり・・・散々な状態を見てきました。そうなってからの治療・管理は簡単にはいきません。

その結果、当院では口腔衛生について強く力を入れるようになっています。

歯石・歯周病の恐ろしさは、なかなか飼い主さんには伝わりません。飼っている動物が困った状態になってしまった飼い主さんでないと本当の怖さはわからないとでしょう。

イヌもネコもこの数十年でずいぶん長寿になりました。長く生きるようになったことにより、いままであまり表面化しなかった部分が見えてきたからではないかと当院では考えています。


当院は口腔衛生管理に前向きに取り組んでいます。当院の健康診断では口腔内の確認は必須事項。健康診断では必ず確認します。


処置後の歯です。ほとんどが歯石に覆われ、根っこは腐敗しています。


程度問題を超越した歯周炎。これでは食べられません


歯石がつくとこのような症状が現れます。症例集。

イヌ 重度の歯石沈着・歯周炎
健康診断で大きな歯石が確認され、歯石除去を実施した症例です。
大きな障害が出る前の段階です。

歯石除去前
臼歯が歯石に覆われてしまい確認できません。
しっかり口を開くことが出来ないくらいの大きな歯石になっています。歯石の厚みが1cm以上の部分もありました
歯石除去後
歯石はきれいに落ちています。しかし歯石が大きすぎたため
歯ぐきが後退してしまいました。

重度の歯周病になっていました。
歯ぐきがひどく後退している場合は戻らない場合があります。
もっと早い段階での歯石除去をお勧めします。

コ 重度の歯周炎・歯ぐきの退縮

最近、元気・食欲がないとのことで来院されたネコさんの症例です。血液検査で重度の敗血症(血液にバイキンが広がった状態)を起こしていることが確認されました。

犬歯など、通常見える部分はきれいなように見えますが、奥歯は歯ぐきがつり上がり、根仙部膿瘍を起こしていました。

このつり上がりが大問題!!

飼い主さんは歯石で口の中が荒れていることは気がつきません。全身状態に影響が出ることで異常に気づいた症例です。全身的な感染に発展すると命の危険に曝されます

コ 重度の歯周炎、耳下腺・下顎腺への感染・化膿
顎の下のほうの皮膚が裂けて膿が出てきたネコさんです。

左側だけ耳下腺、下顎腺に感染が認められました。その部分が化膿し皮膚が裂けてしまったようです。その感染の原因は口の中。口の中は歯石だらけですごい歯周病。唾液腺の開口部から感染して炎症が波及してしまった症例です。腺構造の部分に細菌が入り込むと抗生物質でもなかなか叩けません。

歯周病がひどくなる前に歯石除去することにより未然に防ぐことが出来ます。

イヌ 重度の歯周炎・根尖部膿瘍

眼の下が腫れてしまいました。奥歯の根っこに感染が進んで根仙部膿瘍になってしまった症例です。

歯石はバイキンの塊です。そこから根仙部に感染、それが眼の下の皮下にまで炎症が広がってしまいました。

歯石除去・抗生剤、消炎剤での治療で炎症は治まりますが、すぐに再発してしまいます。

今後感染を繰り返すようであれば抜歯を検討します。

イヌ 重度の歯周炎

当院、看護師犬じょんじょん、15歳で歯石除去しましたが、3年でまたすごいことに。

じょんじょんは18.5歳。かなりよぼよぼなので全身麻酔に躊躇していましたが、麻酔の危険性よりも感染の危険性のほうが大きくなってきたため踏み切りました。
超音波スケーラー
  歯石はその名のとおり「石」です。拭いたくらいでは落ちません。
物理的に歯の表面から引き剥がさなければなりません。

しかし歯の表面、エナメル層を傷つけないように頑固な歯石を落とすのは金属製のハンドスケーラー(左の写真)では無理。
  超音波と水で歯石を砕いてくれるのが左の写真、超音波スケーラーです。
歯の表面、歯ぐきを傷つけないように、落ちにくい歯周ポケットまでしっかりと歯石を落としてくれます。
歯石除去の料金 
歯石除去は超音波スケーラーで奥歯まで隅々の歯石をきれいに落とします。そのためには全身麻酔が必要です。どんなにおとなしい動物でも処置は無麻酔では無理。歯石除去の料金は麻酔込み処置の料金です
イヌ 10kgまで    \28,000
イヌ 20kgまで    \32,000
イヌ 30kgまで    \36,000
イヌ 40kgまで    \40,000
ネコ          \20,000
フェレット       \10,000

多等飼育の場合、値引きいたします。詳しくはご連絡ください。

2023年7月 現在の料金となります。 
動物ごとの歯石の特徴・除去の目安 
イヌ 
犬種や飼育環境によりバラつきが大きいです。イヌは犬歯も汚れてくることが多く、飼い主さんも気がついている場合がほとんど。3-4歳くらいで1回目の歯石除去をするのが一般的です。

ネコ
3-4歳くらいが1回目の歯石除去の目安。見える所はたいていきれいなのでイヌと比べ歯石が見えにくいのが特徴。歯周炎や根仙部膿瘍に発展し、食べられなくなってから来院する場合がほとんどです。

フェレット
イヌやネコに比べると歯石の付着は少ないです。しかし上顎臼歯の歯石は歯周炎を引き起こすことがあるので、奥歯の凹みが汚れてきたら歯石除去を検討してください。

ウサギ
歯石?もあるけど、偏磨耗と歯周炎と総合的に考えないといけません。口腔衛生管理はウサギではすごい重要。他の動物とは意味合いが大きく異なります。4歳を過ぎたら毎年、歯を見せてください。
編集・改訂  230713

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